更年期の不安感は何が原因?一人で悩む必要はありません
更年期の不安感の症状
更年期の不安感は、わけもなく孤独感を感じる、不安で眠れないといった症状が中心で、うつにも似たものがあります。症状がひどいと、不眠にもつながってしまいます。
ちょっとしたことで感情的になったり、イライラがある一方で、不安になると止まらないことも。同時に胸が苦しい、動悸がするという症状も出ることがあります。
また不安感以外に、疲れやすい、何もする気にならない、気力がわかないという症状を訴える人も多いです。
更年期の不安感の原因
更年期は、性ホルモンが減少することで、今まで体の中で保たれていた様々なバランスが崩れます。
性ホルモンは、脳の視床下部で指令が出されるのですが、視床下部は自律神経と呼ばれる交感神経、副交感神経を司る部分でもあるため、生命維持に重要な役割を持ちます。
また、視床下部は、食欲、睡眠、性行動など人間の本能的な行動の中枢となる部位です。
自律神経にとって大切な働きを持つ視床下部は、バランスが乱れると身体的な症状以外にも精神的な症状が現れることが多いです。
というのも、視床下部は、ストレスに対する防御反応を出す部分でもあるからです。更年期で弱っているところに、さらにストレスがかかると、大きな反応となって現れます。
不安感は、更年期の精神症状の中でもよく見られる症状ですが、更年期によるものということを本人も気づかずに過ごしてしまうことがあり、心療内科をはじめとする病院を転々とする人もいるようです。
更年期の不安感の解消法
更年期に不安感があって何も手に付かないという場合、「一体どうなってしまうんだろう」という不安がさらに生まれてしまい、悪循環です。
ですが、不安感の原因が更年期であるとわかれば、自分でコントロールすることは難しいとわかります。そうなれば、できることを一つずつこなしていくしかありません。
症状の程度がひどい場合には、更年期だけが原因でないこともあるため、先延ばしにせず医療機関を受診してください。
更年期の不安感を抑える方法としては、自律神経のバランスを整えることと、ストレスを軽減させることの両方が大切です。ここでは、不安感の症状が軽い場合にできる対処法をご紹介します。
アロマテラピー
近年、香りでストレスが軽減するという研究結果が発表されることが増えています。好みの香りを生活に取り入れることで、癒されます。
中でもゼラニウムの香りは、女性ホルモンのバランスを整える効果があるといわれていて、枕やハンカチに垂らしてみる、冬なら加湿を兼ねてアロマディフューザーに入れてみるなどがおすすめです。
ツボ押し
毎日の習慣として、ツボ押しを取り入れると、不安感が軽減するかもしれません。
不安感を抑えるツボは、手に多いので、外出中でも手軽に押せるのがメリットです。
合谷…手の親指と人差し指の間の骨の付け根にあります。「万能のツボ」とも言われています。
内関…手首のシワ中央から指3本分下がったところにあります。胃腸の不快感にも効果があります。
神門…手首のシワの小指側のくぼみです。不眠やイライラに効果的なツボです。
漢方やサプリメント
漢方薬やサプリメントを飲んで不安感を抑えるということも可能です。
漢方薬の中で不安感を抑えると言われるのが、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)です。喉がつかえる感じがする場合、ストレスが溜まっていると考えられますが、このような症状にも効果的です。
不安感がある人の中でも、疲れやすく、そわそわする、すぐに緊張してしまうという時は、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)がおすすめです。
また、更年期の様々な症状を緩和させる成分として知られるリゾープス麹が含まれるサプリメントは、不安感の軽減にもつながる可能性が高いです。
病院での治療
婦人科などでは、更年期の諸症状を抑えるために、減少するホルモンを補充する方法や、プラセンタ注射などが行われることがあります。
不安感が強く、日常生活が困難な場合には、果たしてその不安感が更年期から来るものなのかどうか、ホルモン検査を行って、しっかりとした治療に取り組むことをおすすめします。
不安感なら更年期を疑って対策
40代から50代の年齢になって様々な不調を感じる人が増えますが、中でも不安感が強くて眠れないという声をよく聞きます。
ストレスが原因で精神的な症状が出ることも多い現代社会ですが、年齢的に更年期に差し掛かっている場合は、それだけで不安感を感じることもあります。
更年期の不安感は、ホルモンバランスを整えることで解消されることもあるので、気づいた時がチャンスです。できることからはじめてみましょう。
更年期はまだまだこれから先も長い人生です。うまく付き合って輝きのある生活を送っていきたいですね。