更年期は漢方医学でゆるやかな対策もおすすめ!自然の力を大切に
更年期に漢方が良いとされる理由
漢方医学では、女性は7の倍数、男性は8の倍数で体が変化していると考えます。この考えからみると、女性の更年期は大体49歳、男性の更年期は56歳となります。
漢方医学は元々、体のバランスが崩れた時に病気が発生し、それを立て直すために漢方薬を使っていくという考えです。
漢方医学でバランスの柱とされるのが、気、血、水の3つです。これらのバランスが崩れると、不調が生じるとされています。
更年期は、身体に様々な不調が生じてきますが、これは主にホルモンバランスの崩れから来ることがわかっているため、バランスを整える漢方医学が活躍する絶好のチャンスと言えます。
また、更年期の不調は、西洋医学では病気と診断されることも少なく、不定愁訴と表現されることがしばしばです。
漢方を用いる東洋医学では、更年期症状も加齢とともに誰もが経験しうる自然の現象ととらえ、古くから使われてきた自然に由来する成分で、更年期症状のゆるやかな緩和を促します。
更年期によく使用される漢方薬
更年期の症状に合わせて使用される漢方薬をまとめました。症状が軽いなら、市販の漢方薬でも効き目があるかもしれませんが、漢方薬を扱う医療機関での処方が安心です。
桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
女性の月経異常や更年期障害など、血流が悪いことで生じる諸症状を緩和させる働きがあります。ホットフラッシュやのぼせにも使われます。
加味逍遥散(カミショウヨウサン)
のぼせ、冷え、生理不順、頭痛、肩こりなど、血液の循環を良くする漢方薬です。イライラや不安感を抑える効果もあります。
抑肝散(ヨクカンサン)
子どもの夜泣きを抑えるお薬として使用されることが多いですが、更年期症状の中でもイライラや不安、不眠など神経が高ぶってしまう場合に使用されます。
当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
更年期症状の中でも、冷え性や貧血、むくみ、めまい、動悸、疲れやすいといった症状が強い場合に使用されます。
八味地黄丸(ハチミジオウガン)
男性の更年期で泌尿生殖器に症状が出る場合に使用されます。尿が少ないまたは頻尿といった症状以外にも、喉が渇く、目がかすむなどうるおい不足に効果があります。
半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)
自律神経のバランスが崩れ、喉のつっかえ感があるという場合に使用されます。不安感や食欲不振にも。
補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
常に疲れが取れず、だるくて起き上がれない、食欲不振といった症状に効果があります。
女神散(ニョシンサン)
のぼせやめまいなどを中心とする不安や動悸などに効果があり、更年期の女性によく使用されます。
温経湯(ウンケイトウ)
冷え性を中心に、しもやけや湿疹など皮膚に症状がある人に使用されます。
連珠飲(レンジュイン)
立ちくらみやめまい、動悸や息切れなどの更年期症状に効果があります。
十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)
疲れが取れないといった症状以外にも、男性更年期によくみられる生殖機能の低下などに効果があると言われている漢方薬です。
防風通聖散(ボウフウツウショウサン)
更年期でも体調はそれほど悪くないものの、どんどん肥満が進んでいるという場合には、脂肪を分解すると言われるこちらの漢方薬を使用して動きやすい体に変えていく方法も取られることがあります。
防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)
更年期の水太りによるむくみやホットフラッシュ、多汗症に効果があります。
更年期の漢方薬以外の対策
更年期に漢方薬を使って症状が緩和されれば良いのですが、合う合わないがあるので、中には効かないという人も。他の方法も試して、自分に合うものを探していきましょう。
サプリメント
近年、更年期のホルモンバランスを整えるサプリメントも増えています。症状に応じた成分が含まれているものもあるため、特に不調が強い症状に合わせて試してみるのも良いかもしれません。
更年期のホルモンバランスを整える成分としては、イソフラボンや高麗人参が知られていますが、リゾープス麹を知る人はまだまだ少ないのではないでしょうか。
リゾープス麹については、こちらの記事を参考にしてください。
食事
更年期は、日頃の食生活によって症状が大きく出てしまうことがあります。栄養バランスが偏った食事で、ホルモンの乱れに拍車をかけていませんか?
カフェインやアルコールの摂り過ぎは、自律神経を乱すことにつながるため、注意が必要です。
更年期の食事については、こちらの記事をご覧ください。
運動
ストレスがたまると、更年期症状が強く出ると言われているので、ストレスをためない程度に体を動かす習慣をつけることもおすすめです。
更年期に適した運動については、こちらの記事をご覧ください。
更年期は自然の摂理!自然の力を利用しよう
漢方薬は、昔から自然由来の生薬を使っていて、その効果も立証されていることから、時代を経ても更年期に何らかの不調が起きるということは、変わりないということがわかります。
更年期は、避けて通ることはできません。ですが、対策をするかしないかで、今後の長い人生が輝きのあるものになるかどうか決まってくるのではないでしょうか。