更年期は男性にもある？不眠やうつなどの症状ももしかしたら…
男性の更年期とは
昔は、更年期の心身の不調は女性特有のものと考える人も多かったのですが、実は男性も更年期障害が起こるということが広く知られるようになってきました。
女性の場合は女性ホルモンの減少が理由ですが、男性の場合は男性ホルモン（テストステロン）が減少することで様々な症状が発生します。
女性の更年期と違う点は、男性は性ホルモン減少カーブがゆるやかな分、症状を感じにくいことや年齢が幅広いことが挙げられます。
女性の更年期は閉経をはさんで前後5年ずつの計10年とされていますが、男性の場合は閉経が無いため、40代後半から50代・60代を中心に、早ければ30代から遅いと70代や80代まで更年期症状に悩まされる人がいます。
男性の更年期症状
男性の場合も女性の症状と似ていますが、性欲の減退や勃起不全が起こって初めて更年期だと認識されることが多いです。
他には、関節痛、ホットフラッシュ、抜け毛、不眠といった身体的症状以外にも、すぐイライラする、怒りやすい、うつ状態など精神面が不安定になる症状もあります。
働き盛りの男性は職場でのストレスが多く、うつの症状を持つ人も増えていますが、更年期から来るうつなのかそうでないのか自己判断は難しいです。症状が重い場合は、医療機関を受診してください。
女性の更年期症状も参考になりますので、併せてご覧ください。
https://jibunjinsei.com/health/kounenki-syojo/
男性の更年期対策
男性の更年期症状も女性と同じく、軽い場合には日頃の生活習慣を変えていくことで改善することが多いですが、重症の場合は医療機関での治療を行う必要があります。
食事
更年期の男性が食事で気を付けることは、バランスです。ただし、肥満気味などでカロリー摂取量を気にするあまり、野菜ばかり食べているのもよくありません。肉や魚、植物性などのたんぱく質をしっかり摂るのも大切です。
また、男性ホルモンのテストステロンを増やすには、亜鉛を含む食べ物を積極的に摂るのが良いと言われています。亜鉛は、牡蛎や豚のレバー、牛の赤身肉などに多く含まれています。
ほかに、アルコールや糖分の高いジュースの飲み過ぎは、ホルモンバランスを乱す原因となるため、やめましょう。
更年期の食事についてはこちらの記事にも書いていますので、参考にしてください。
運動
適度な運動は、ホルモンバランスを整える効果があります。結果として肥満を抑えることにもなるため、一石二鳥です。
ただし、一念発起してやり慣れない激しい運動を始めるということはおすすめできません。更年期はただでさえ動脈硬化などの心血管疾患のリスクが高いため、激しい運動は危険です。
じっとりと汗をかく程度のほどよい運動を週に2～3回程度行うのがおすすめです。
中でも、男性ホルモンであるテストステロンを増やす運動と言われているのが、筋肉に負荷をかけるスクワットや腕立て伏せです。定期的に継続していきましょう。
更年期の運動についても詳しい記事がありますので、ご覧ください。
漢方やサプリメント
食事では不足しがちな栄養素を補給する目的でサプリメントを活用するのもおすすめです。それ以外にも、更年期症状を緩和させるためのサプリメントも多く市販されているので、試してみるとよいかもしれません。
男性更年期用の漢方薬として代表的なものは、八味地黄丸 （ハチミジオウガン）ですが、他にも一人一人の症状に合わせた漢方薬があります。
更年期の漢方についてはこちらもご覧ください。
病院での治療
更年期の場合は何かにいけばよいのかわからないという人も多いですが、男性は泌尿器科です。泌尿器科でホルモンの値を検査し、場合によってはテストステロン補充療法を行うことになります。
女性の場合、更年期のホルモン補充療法は保険が適用されますが、男性の場合は残念ながら適用されません。
それでも、男性の場合は減少したテストステロンがそれほど減っていないケースも多く、補充療法で体調がよくなる人がほとんどと言われているので、日常生活に支障があるなら受診をおすすめします。
忍び寄る男性更年期に負けないで
女性の場合は多くの人が40代から50代と、更年期の年齢がわかりやすいのですが、男性の場合は人によっていつということがはっきりしないため、気づきにくいです。
年を取ったからと放っておくと、心臓や血管などの重大な病気につながることがあるので、少しでも不調を感じたら、すぐに対策を取りましょう。
また、更年期の症状が無い人でも、予防目的で生活を改善していくことで、これから先の人生が輝きのあるものとなるはずです。