更年期に血圧が高いのはなぜ?下げる方法はある?対策など
高血圧とは
血圧は、動脈血流の血管内部にかかる圧力のことで、心臓の動きに合わせて血管が開いた時は圧力が下がるため「下」、逆に収縮した時が「上」と区別されます。
この「上」が最高血圧(収縮期血圧)、「下」が最低血圧(拡張期血圧)を表しています。上が140mmHg以上、下が90mmHg以上で高血圧という診断が行われます。
厚生労働省が国民生活基礎調査から作成した「世代ごとの気になる傷病の違い」からも、45歳以降の高血圧症が多いことがわかります。このように、更年期以降は高血圧症が増えてきます。
更年期に血圧が上がる原因
それでは、更年期に血圧が上がるのはなぜなのか見ていきます。
更年期には性ホルモンが減少します。それにより、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位に傾きやすくなるため、興奮して高血圧になります。
更年期はストレスが多い世代とも言われています。仕事では責任のある役割を任されたり、家庭では子育てが一段落して生活が変わるといった環境の変化も高血圧の一因となります。
また、性ホルモンは、皮膚や血管を柔軟に保つ役割を持っているのですが、それが減っていくとともに、血管の収縮性も失われていきます。その結果、血管が固くなり、血圧も高くなってしまいます。
これ以外に、性ホルモンは血管の内側から体内の塩分を体外へ排泄する役割も担っていますが、減少することで塩分が体内にとどまりやすくなります。塩分過多も高血圧の原因となります。
更年期の場合は、ずっと高血圧というケース以外に、血圧が上がったり下がったりという不安定な状態になるケースもみられます。
更年期の高血圧にまつわる症状
更年期に起こりやすい高血圧は、他にも体の不調をもたらします。他の症状についても見ていきましょう。
高血圧同様、血管に関係する更年期の症状として、悪玉コレステロールの増加があります。それまで性ホルモンが抑えていた増加ですが、抑えが利かなくなってきます。
更年期のよくある症状として、ホットフラッシュがあります。外の気温に関係なく、急に暑くなって汗が噴き出したり、のぼせ、ほてりなどが生じますが、ホットフラッシュも、血管の収縮がうまくいかないことが原因と言われています。
高血圧で頭痛、肩こりやめまいを発症する人もいます。さらにこうした不調が原因で、よく眠れないなどの不眠につながることも多いです。
高血圧以外の更年期の症状については、こちらの記事にもありますのでご覧ください。
更年期の血圧を下げる対策
それでは、更年期の血圧を下げる方法について見ていきます。
食事やサプリメント
更年期にかかわらず、高血圧の原因として大きいのが塩分の摂り過ぎです。ただでさえ塩分がたまりやすい体になっているので、塩分を摂り過ぎないように注意が必要です。
健康な方は1日8g未満、すでに高血圧になっている場合には、1日6g未満の塩分が推奨されていますので、味付けをうまく工夫して美味しく食べられるようにしていきましょう。
また、塩分を体外に出すことを促す食材を積極的に摂るのもおすすめです。野菜や果物にはカリウムが多く含まれているので、意識して多く食べるようにしたいです。
食事で不足する場合には、サプリメントなどで補うのも方法です。
また、リゾープス麹などホルモンのバランスを整え、更年期の症状を緩和する成分が含まれるサプリメントも試したいです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
飲酒が習慣となっている方は、週に1度は休肝日を設けるなど、アルコールの摂取も控えるのが良いとされています。
運動
高い血圧を下げるには、定期的な運動が有効とされています。運動療法として推奨されているのは、できれば毎日30分以上のややきつい有酸素運動です。
強度が高い運動を行うと、逆に血圧が上昇してしまうため、程よい運動が適しています。具体的には、ウォーキング、サイクリング、水泳などです。
更年期症状をやわらげる運動については、こちらの記事も参考にしてください。
病院での治療
更年期だから血圧が高いんだと思い込んでいて、別の病気を見逃してしまうこともあるため、高血圧が続いて不調がある場合には、すぐに診察を受けることをおすすめします。
女性で他にも更年期の症状があるという場合は、まずは婦人科で診てもらうとよいでしょう。他に症状が無く、高血圧だけという方や、男性の場合は、循環器科または内科が良いでしょう。
更年期の血圧対策はお早めに!
低かったはずなのに、更年期に入ってから血圧が高いと気づく前に予防を行っておいた方が良いですが、もしも気づいたとしたら、すぐに生活に注意したいです。
また、高血圧が更年期からくるものではなく、別の病気ということもあるので、状況によっては早めの受診がおすすめです。異変を察知するためにも、毎日血圧を測る習慣をつけるようにしましょう。