リゾープス麹とは?更年期のホルモンバランスを整えるって本当?
リゾープス麹の発見
戦前に土壌改良の研究を行っていた土壌微生物学の研究者が、戦後に入ってから農事試験場の業務の一環として麹の製造を行うことになりました。麹の中には一部リゾープス菌が生えてしまうものがあり、廃棄するのはもったいないので、養鶏の餌に使うことにしました。
ある時、農場の職員宅に子どもが生まれたので、お祝いとして一番多く卵を産む鶏をあげたのですが、職員宅では徐々に生む卵の数が減ってしまいました。
そこで、また卵を産む鶏と交換するということを繰り返していました。ところが、こうして農場に戻ってきた鶏は、なぜか再び卵を産むようになったため、農場で餌に使っている麹が卵を増やす要因なのではないかと考えるきっかけとなったのです。
この卵をたくさん産む鶏にあげていた麹をリゾープス麹と名付け、なぜ卵をたくさん産むのかについての研究を進めることになりました。
リゾープス麹の研究
最初は、ビタミンやたんぱく質といった栄養面での研究を進めましたが、これらの影響がないことがわかりました。
次に、何らかのホルモン成分が含まれるのではないかという推論を元に研究を進めましたが、これもまたホルモン自体は含まれないことがわかりました。
ホルモン成分ではないものの、ホルモンの生成を促すことはわかっていたため、家畜(もしくは動物)で繁殖障害の治療を試みることになり、その結果、牛・馬・豚の繁殖障害治療試験に成功しました。
その後、ペットのサプリメントが開発され、主に犬のホルモン異常による脱毛症にも用いられるようになりました。脱毛症でほとんど毛が無くなってしまった犬にも劇的な発毛が認められているため、多くの獣医師がリゾープス麹由来のサプリメントを治療に取り入れています。
リゾープス麹エキス
実は、このリゾープス麹は、古くからインドネシアの納豆とも呼ばれるテンペ(大豆発酵食品)や中国酒に利用されてきました。
現在、リゾープス麹から抽出したエキス(RU)は、体のホルモンバランスを維持する働きを持つことがわかっています。更年期症状の改善に関する研究もおこなわれており、閉経前後のホルモンが不安定な時期でもホルモンバランスを整える作用があると考えられています。
実際、経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業研究成果として、リゾープス麹エキスが更年期症状の改善につながるという結果が治験によって示されました。